札幌ラーメン

3.毛利さんと札幌ラーメン
毛利 衛。’92年9月、スペースシャトル「エンデバー」号に日本人初の搭乗を果たす。日本人としては史上2人目の宇宙飛行士である。日本中の注目のなか、宇宙飛行士として、または科学者として、宇宙での8日間に数々の成果を達成し、子供たちに大きな夢を与えてくれた毛利さんだが、その帰還後、記者団の「今、一番何を食べたいか?」の質問に、「ラーメン」と答えたエピソードをご存知だろうか?

毛利さんは北海道余市町生まれ。宇宙飛行士に選ばれるまでは北海道大学で助教授をつとめている。ラーメンの本場、北海道で生まれ育った毛利さんが、「ラーメン」を挙げたことにも筋が通っているような気もする。
 が、実は、真相は毛利さんのちょっとしたちゃめっけのなせる言葉だったようだ。ある雑誌の土方正志氏によるインタビューによると、
「あのときはおなかが空いていて、ステーキもものすごく食べたかったんですが、日本人報道関係者も来ていて、アピールするかな、と思って(笑)」
 と、真実はけっこうあっけない。しかし、とっさに、ここでステーキと言ったんではしらけてしまう、そうだ、ラーメンにしよう、と思いついたのは、さすがに天下のNASAに選ばれるだけの明晰な頭脳の回転、読みのよさ。やはり、科学者らしい極めて理論的で名解答であったと思うわけである。NASAの頭脳が、ラーメンは日本人の心のふるさとである、との分析を引き出したのだ。