ALL ABOUT ベーマガ

ペーパー・アドベンチャー

ぺーぱーあどべんちゃー

ペーパー・アドベンチャー
ぺーぱーあどべんちゃー
 アドベンチャー・ゲームを、コンピュータがなくても遊べるようにしたゲームのこと。1984年に手塚一郎氏がベーマガ編集部へ持ち込み、同年8月号で発表、ペーパー・アドベンチャー・コーナーで連載がはじまった。
 プレイヤー(読者)は、出来事や行動毎に細かく分けられた文章を読み、分岐点で選択肢の中から取りたい行動を選ぶことによって、飛び飛びになった文章を連続したストーリーとして楽しむ構造になっている。表現できるゲームのジャンルは、アドベンチャーとしてオーソドックスな冒険・探索物に限らず、探偵・推理物はもちろん、ロールプレイング・ゲームやシミュレーション・ゲーム、レース・ゲームまで多岐にわたる。
 具体的な遊び方は、まず行番号1に書かれた文を読み、そこに書かれた2〜4個の選択肢の中から、主人公である読者自身が取りたい行動を選択する。選択肢には「→3へ」というように、次に読む文の行番号が指示されているので、その行番号が付けられた文を探し出す。そして、その文を読み、選択肢を選んで、指示された行へ……と繰り返してゲームを進めて行く。最終的にゲームオーバー(死・失敗)とならずに、ゲームの目的を達成することができれば終了となる。
 作品によっては、ただ読んでいくだけではなく、途中で拾ったアイテムをメモしたり、マップを作成することが必須になっているもの(「ラスタ山の地下要塞」 1985年12月号掲載)もある。また選択肢には、ある条件を満たしていなければ選択できないものや、過去に通過した文の中に行番号のヒントがあるもの、選択肢がない代わりに計算問題の答えがそのまま行番号になっているもの(「呪われた町」 1986年3月号掲載)など、多数のバリエーションがある。
 1作品の行数は平均120行(最大でも170行)で、カット・イラスト等を含めても2・3ページに収まる程度の小規模なものである。これは長大なゲームブックなどにくらべて、気軽にゲームをはじめられることや、プレイ時間が短いことで飽きずに最後まで遊べること、作者自身がゲームの作成に熟練していなくとも完成に至りやすいというメリットがある。一方で、文字数が少ないために情景描写が淡泊になりがちで、選択肢を選ぶ根拠や情報に乏しく、勘に頼った遊び方が中心になってしまうというデメリットがある。
 作品はペーパー・アドベンチャー・コーナー以外に、別冊として刊行された「ペーパーアドベンチャーVol.1」「ペーパーアドベンチャーVol.2」でも楽しむことが出来る。
移植版を作成しました!

文字だけの説明ではルールや魅力が十分に伝わらないと考え、ペーアドをブラウザ上で楽しめるように移植しました。当時の誌面をできる限り再現したものです。シナリオはオリジナルです。

ペーパーアドベンチャー
ペーアド
ぺーあど
 ペーパー・アドベンチャーの略称。
ペーパー・アドベンチャー・コーナー
ぺーぱーあどべんちゃーこーなー

 採用されたペーパー・アドベンチャーを掲載する投稿コーナー。84年8月号のスーパソフトマガジン内で連載開始。告知なく終了したため事実上の最終回となった90年1月号までに、計58本のペーパー・アドベンチャーが掲載された。
 世間のゲームブックのブームとベーマガ自体の全盛期が重なったことで人気コーナーとなり、毎号1作品の採用に対して、ピーク時には月に200〜300本の投稿があったらしい。
 同じ投稿コーナーである「投稿プログラムコーナー」と似た要素があり、採用基準もアイデアや発想力が重視され、出来が良くてもありふれた舞台設定・展開の作品は没になる傾向があった。一般に「パラグラフ」と呼ばれる文の単位を「行」と呼び、それに付けられた番号を「行番号」としたのも、BASIC言語の影響が感じられる。採用されると規定の原稿料が出る点も同じである。85年6月号には影さんによるCHECKER FLAGまであった。
 以上のように「“ナイコン版”投稿プログラムコーナー」と呼べる要素を持っている一方、TV番組(特撮)やアニメ・漫画などをパロディにした作品が、オリジナリティに欠けることを理由に容赦なく没の対象となった。これは、投稿プログラムコーナーで市販ゲームを移植した(ような)作品が許されていた事とは対照的である。また、投稿プログラムコーナーでは特定機種の投稿本数が増えると採用本数も増えるようになっていたのに対し、ペーパー・アドベンチャー・コーナーでは連載開始から終了まで一貫して月1本の採用だけだった。

掲載作品の一覧
禁無断類似記事掲載
きんむだんるいじきじけいさい
 初期のペーパー・アドベンチャー・コーナーのタイトル横に書かれていた注意書き。この表記は85年1月号まで使われたが、同年2月号と6月号には「禁無断掲載」へと弱い表現に変わり、7月号以降は無くなっている。
 ペーアドは著作権を強く主張する傾向があり、この注意書きの他にも、毎回欠かさず「(C)手塚一郎」と入れたり、容易に転載されないように全く無意味な行を入れたり(第1回の「洞窟探検」)していた。  
ペーパー・アドベンチャー・ランド
ぺーぱーあどべんちゃーらんど
 ペーパー・アドベンチャー・コーナーに採用されるためのコツやアドバイスを掲載したコーナー。85年9・10月号、86年2月号の計3回掲載された。筆者は「編集部」になっている。
 投稿プログラムコーナーにおけるあくせすroom内の「明日のSTAR PROGRAMMER」に近い存在だが、不採用者の名前の公表よりも、作品が没になった理由の解説が主である。説明不足やバグがあって遊べないといった、ある程度予想のつく没理由がある中、縦書きの原稿用紙にマス目を完全に無視して横書きでビッシリ書かれた「単に原稿用紙を使っているだけ」の投稿が、あまりのショックに無視することができず(85年9月号P213)晒されることもあった。
 ペーパー・アドベンチャー・コーナーの補足だけではなく、単独のコーナーとして、イラストやアイデアだけの投稿も募集していたが、それらが採用される前にコーナーが消滅してしまった。
 コーナーの最後には、P.S.私に解けないペーパー・アドベンチャーはない!!と思う(編)(86年2月号P253)という気弱な決めゼリフが載っていた。
2008/11/19

_