「白く降り積もる雪」

精一杯背伸びして、少女は彼に手を差し伸べた。
白魚のようにたおやかな指先が、
彼の肩口や髪を滑り、雪を落としていく。

何故かその手を無下に振りのける気にはなれなかった。
そして、雪が払われるたび、錯覚に陥る。
この零れ落ちたかけらが、逆に彼自身の中へと
降り積もっていくような錯覚に。

清らかな結晶は、全てを覆い包み込む。
穢れも痛みも、何もかもを赦し、
その純粋さで浄化しようとするかの如く。

丁寧に雪片を落としきると、少女は満足げに目を細めた。
それはまっさらな処女雪を思わせる、
腹蔵のない笑顔だった。


*****

某御方(笑)の影響で思い入れの強くなったカプ。
この絵、雪を払っているというより、
頭を撫でようとしてるようにも見えますね……。
いー子いー子。(…)

最初はこのお題、魔王サラに使うつもりでした。
とある同人誌の影響で、魔王&サラと雪、という組み合わせのイメージがあったので。
で、魔王マールで「強い眼差しの先」だったんですよね。
でも考えたらこれ逆の方がいいかな…と、入れ替えて描いたという。

それにしても、マールと雪のイメージを重ねるのが本当好きですねー、私。
この際「雪ってのは不純物が混じってるから
実際のところはそんな綺麗なもんじゃない」といった
ロマンのない正論は置いといて下さい。
雪による浄化、という元イメージは
敢えて言えばハーメルンのバイオリン弾き(サイザーのお話)。


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