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「はい、これで完了!」 ロボの身体に付いたカバーを閉め、ルッカは仕上げとばかりにそこを軽く叩いた。 「ありがとうございマス、ルッカ」 ロボが律儀にしゃちほこばった礼をする。 「どういたしまして」 こちらも丁寧に応えつつ、ルッカはクロノの座った椅子に歩み寄った。 いつのまにか椅子の背に抱きつくようにしてうたた寝に入った彼を起こすためだ。 「ほら、クロノ。終わったから起きなさいよ」 「……んー……」 揺り動かすが、言葉になっていない声を返すばかり。ルッカはため息をついた。 「ロボ、みんなのところに先に行っててちょうだい。私はこのねぼすけを起こしてから行くわ」 「ハイ、わかりマシタ」 ロボは一礼して、部屋を出て行った。 「まったく……」 ルッカは椅子の前に軽くかがんで、クロノの鼻をつまんだ。 「とっとと起きなさいっ、この居眠り帝王!」 部屋いっぱいに聞こえるぐらい怒鳴る。 が、クロノはさっぱり起きようとしない。気持ち良さそうに眠りこけたままだ。 「…………」 あまりに呑気そうなその寝顔に、どうも毒気を抜かれてしまった。 ルッカは鼻から手を離して、椅子のすぐ横の床に腰を下ろした。 彼女にしては珍しく、あくびまで出てくる。 そういえば、こっちも寝不足だったかも、と思う。 ロボの、長い年月働き続けたことによる破損は、ルッカが初めに予想していたよりもずっと酷かった。それ故、彼女自身が休む時間を多少押してでも、入念なメンテナンスを施さずにはいられなかったのだ。 ようやく一段落して、気が緩んだのだろうか。 いつしかルッカは椅子の足に頭をもたせかけて、クロノにつられるように眠りに落ちていた。 雨雫が奏でる木琴のような調べが、耳に心地良かった。 *** クロノが目を覚ましたのは、顔に差し込む日差しのせいだった。 ……いつのまに雨が上がったんだろう? ほのかに赤みがかった日の光も、窓越しとはいえ、起きぬけにはやや眩しい。 彼は、おかしな格好で寝ていたせいで固まりぎみな筋肉をほぐそうと、大きくのびをした。 そうして、すぐ足元で眠る少女に気づく。 「……ルッカ?」 椅子に寄り添ったまま、小さな寝息を立てている彼女。 疲れてるんだな……。 クロノは気遣わしげに微笑んだ。 ずっとロボにつきっきりで、無理をしていたのは間違いなかった。 いくら心配だからって、自分に負担をしいてばかりなのも困りものだと思う。 それが彼女の優しさであり、長所のひとつであることはよく知っているけれど。 「たまには、ゆっくり休みなよ。……お疲れさま」 呟いて、クロノは、彼女の額にそっと口吻けた。 −END− |
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<さらにオマケのあとがき> (1)あれ、なんでこんな甘くなったんだろ。自分で書いててびっくり。しかも何やらそれなりにまとめられたような気が……これ下書きした当時は全然まとまらなくて、思いっきり中途半端に終わってたのに。 (2)そういえば、この話を書いてた時点ではまだクロノ×ルッカのクロノは一人称「僕」とか、クロノ×マールと別設定にすることを全然考えてませんでした。自分の中で方向性定まらずに模索してたから文章まとまらなかったんですかねー。「クロルカ版クロノは天然で愛情表現ストレート」と決定付けてある現在だから、キスというのが出てきたみたいです。 <<<小説目次 <<<クロノトリガー目次 <<<TOP |