|
もしも運命ってやつがあるとするなら、 そいつは随分と皮肉な演出が好きらしい。 クロノが死んだ。 俺の目の前で。 骨さえも……残さずに。 そして、俺は ―― また動けなかった。 重なる既視感。 巡る悪夢。 もう二度とこんなことは御免だと、遠い昔に思い知らされたはずだった。 それなのに、繰り返すのか。 立ち上がる勇気をくれた奴を、俺は再び失うのか。 何も出来ずに。 何もしようとせずに。 ただ、時の癒しを待つばかりで。 あの日と、同じように…… ―― 違う。 同じなんかじゃない。 「私、クロノを探す」 マールが ―― クロノがいなくなったことで一番参ってるはずのお姫さんが、決然と言った。 「きっとクロノは、どこかにいるはずよ!」 それは有り得ない出会いを探すことに等しい。 だが、こんな時。 無駄なことと、あきらめたくなる時。 あいつなら何て言うか、俺は知っている。 『やってみなきゃわからないさ』 ……クロノの奴は、そう言って笑うんだ。 もう間に合わないのかもしれない。 取り返しがつかないのかもしれない。 何かをするには、あまりにも遅すぎるのかもしれない。 それでも。 あきらめない限り、 希望はいつも残されているのだと信じたい。 あやまちを、これ以上繰り返さないために。 ……行こう。 失われた時間を、取り戻しに。 −END− |
|
<オマケのあとがき> (1)「もうそういた」への投稿作品。テーマは『遠距離』。“Chrono side”を書き込んだ時に頂いたコメントで「クロノサイドってことは、他にも?」と訊かれたため、調子ぶっこいて他キャラ視点を考えてみた、という経緯でした。お調子者由空。 (2)これを書いてみて、カエル独白は難しい、とつくづく実感しました。クロノとカエルのコンビはすごく好きなんですけどね。 >>>side C >>>side M <<<小説目次 <<<クロノトリガー目次 <<<TOP |