それに気づいたのは、いつだっただろう。
何がきっかけだっただろう。

吐息さえ凍てつきそうな、雪の舞うマウントスノーの空。
立ち枯れた木々が、丸裸の枝を天に向かって寂しく広げている。
髪を、防寒のマントを、底冷えのする山の息吹が通り抜けていった。
それらの流れが示す風向きを見て、あたしは(ああ、やっぱり)と声には出さず、こっそり呟く。
彼はこんな時、必ず風上になる側を歩いてる。
まるで進んで風よけを買って出るように。
そうするのが当たり前みたいに、ごく自然に。

―― あたし、知ってるよ。
他にもたくさん。
道が悪ければ、真っ先に注意の声をかけてくれること。
転びそうになったら、誰より早く手を差し伸べようとしてくれること。
隣を歩く時、歩幅を狭めてこちらに合わせてくれること。
話す時、あたしが見上げないで済むように、少しかがんで目線を下げてくれること。
たとえどんなつまらない話でも、わがままでも、きちんと耳を傾けてくれること。

いくつもの何気ない心遣いが、いつもすぐ傍にある。
彼はみんなに分け隔てなく優しいから、あたしだけが特別だなんて、自惚れることはできないけれど。
それでも、あたしは ――


『そんなところも好き』


さりげない思いやりの行動と、それに気づいた瞬間って
恋愛云々は置いといても胸があったかくなるよね、という話。
絵だけでわかりやすく表現できないのはまあ私の力不足なんですがー;;
これ、多方向に考えられるお題だけに、いろいろ迷いました。
クリアベールでジョンのお墓の前にいる飼い犬に
勇気のかけらを持ってくると約束する主人公、なんてのも考えたりとか。
ちなみにページタイトルはユーミンの曲ですけど、
発想のヒントになったのは西脇唯『カーディガン』です。ローテンポでほんわかした素敵な曲です。

ゲーム中でも周囲の複数の人々から優しいと言われてる主人公ですが。
それって、今は亡き実妹の面倒を見る中で主に形成されていったんじゃないかな、
なんて思ったりします。「僕が妹を守るんだ」っていう、年長者としての優しさ。
それはやがて行き場をなくしてしまう悲しい想いでもあって、
後々ターニアに向けられていくことになるだろうと思うわけですけど。
要するに何を言いたいかというと、自分よりも弱く幼い立場に対する気遣いを
普通に無意識下レベルで身につけてるから、
実体取り戻す前であっても、パーティ内で妹的ポジなバーバラに対して
ついつい似たような接し方になるんじゃないかと、そういう妄想。
そのうち(異性として)好きな女の子だから、という部分も含んでくるんですけどね。
ここではまだそこら辺の分化が曖昧で、本人も自覚してるやらしてないやらという感じで。


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